北ア奥地を踏みに・3

シーズン盛りの山小屋で布団一枚に二人というのはよくあることで、むしろまだましな方。そのうち(これもよくあることですが)誰かがあきらめて毛布を持ってどこかへ動いたか、少しゆとりが出て、そこからはぐっすり眠れました。

はたして、翌朝は快晴! 朝ご飯をしっかりおなかに詰め込んで、午前5時半、薬師沢小屋を出発。

吊り橋を渡ります。この橋が架かる前は皆さん渡渉してたんですかね。それとも丸木橋でも渡していたか。


B20160814_003_1_960px.jpg
薬師沢小屋 2016/8/14


薬師沢からは熔岩台地・雲ノ平への、標高差約500mの急登。事前の情報収集では、岩・石ゴロゴロのすべりやすいイヤな道と書いてありましたけど、広島県・宮島の弥山(標高535m)ひとつ分だと思えば気は楽であります。1時間45分で雲ノ平のアラスカ庭園に到着。陽をさえぎるもの何一つなく、まぶしく感じます。遠くには水晶岳の双耳峰。


B20160814_004_1_960px.jpg
アラスカ庭園(雲ノ平) 2016/8/14


後ろを振り返れば、昨日通過した太郎平小屋。直線距離で5km、はるか遠くに離れました。


B20160814_014_1_960px.jpg
アラスカ庭園付近(雲ノ平) 2016/8/14


前を見れば次の小屋、雲ノ平山荘。北アルプスの巨大な山ふところに抱かれてそこに建っています。


B20160814_015_1_960px.jpg
アラスカ庭園付近(雲ノ平) 2016/8/14


こんな好天に恵まれて、ホントに幸運でありました。続きます。


スポンサーサイト
2016-10-22 : : コメント : 8 :

北ア奥地を踏みに・2

太郎平小屋の前は登山者の群れで大賑わい。椿の茶屋はここで昼食。小屋の食堂で大盛カレーライスを注文しておなかに詰め込み、一息ついたらまた歩きます。

霧にけむる太郎平小屋、また来る日まで。


B20160813_024_1_960px.jpg
太郎兵衛平付近 2016/8/13


ここからは標高差約200mを駆け下り、薬師沢という沢に沿ってしばらく歩きます。


熔岩台地・雲ノ平と、そのまた向こうに北アルプス裏銀座の山々が見えてきました。明日はあそこを歩けるんだろうか、わくわくします。


B20160813_028_1_960px.jpg
太郎兵衛平付近 2016/8/13


針葉樹林の向こうに薬師岳が優しげな姿を見せてくれました。右側の大きな尾根が、昭和38年1月の大量遭難で有名な東南稜なのかな。


B20160813_036_1_960px.jpg
薬師沢より薬師岳を望む 2016/8/13


何もないところですが、ここがカベッケが原。その昔、河童やバケモノが出てきて人をおどろかしたという、山の物語が生まれたところ。「黒部の山賊」の舞台にそろそろ足を踏み入れています(^^)


B20160813_039_1_800px.jpg
カベッケが原 2016/8/13


カベッケが原から間もなく、薬師沢が黒部川本流と合流するところに、目指す薬師沢小屋は古めかしくこぢんまりと建っていました。午後1時50分着、休憩時間込みで折立からちょうど6時間。山屋だけではなく、沢屋さんや釣り屋さんたちで賑わう異業種交流会みたいな小屋(笑) この日は布団一枚に二名を余儀なくされました。


釣り屋さんの姿。イワナ、釣れるんかいな。


B20160813_043_1_800px.jpg
薬師沢小屋付近 2016/8/13


黒部川をまたぐ細い吊り橋。明日はこれを渡って先へ進みます。夕陽がさしてきました。明日の天気に期待です。


B20160813_054_1_960px.jpg
薬師沢小屋付近 2016/8/13


続きます。


2016-10-16 : : コメント : 4 :

北ア奥地を踏みに・1

先日テレビの天気予報か何かで、今年9月中旬以降の日照時間は昭和63年以来の少なさである、ということを言っておりました。昭和63年の秋がどんな年であったか、昭和時代の終わりが近づいていることが予感され、日産自動車のテレビCMが口パクと化して話題になったこと以外残念ながらはっきりした記憶がありません。自分は大学でダラダラとした時間を過ごしていたはずですが、ともかく現在のように森の中を歩くという趣味は持たなかったので天気が悪いことにそんなに支障もなくて、だから思い出にも残っていないのでしょう。それにしても雨ばかりのこのお天気は、山を歩いたり野で虫を探したりしたい者にとってはイヤなものです。


・ ・ ・ ・ ・


もう無理かなあ・・・と思っていた一週間の夏休みがタナカラボタモチ的に取れてしまった8月中旬のこと。荷物を30リットルのザックに詰め込んで東京を出発し、8月13日(土)朝5時、眠い目をこすりながら富山駅前に降り立ちました。ここからバスに乗り、有峰という山奥の集落跡のそのまた奥にある折立登山口から入山して、簡単にはたどり着けないともいわれる北アルプスの奥地を踏みにいこう、そんなところまでは仕事の携帯の電波も追いかけてこないに違いないっ(^^)という魂胆でありました。

折立登山口から歩き始めたのが午前7時50分。<山と高原地図>のコースタイム(休憩時間抜き)は折立から太郎平小屋まで5時間、その次の薬師沢小屋までだと7時間15分ですから、仮にその通りに行けば、太郎平小屋が午後1時前後、薬師沢小屋は午後3時過ぎ。行けるところまで行ってそこで泊まるかー、たぶん手前の太郎平泊まりかなー、仕事疲れもあるからバテなきゃいいんだけど・・・と思いながら林の中、太郎坂を登ります。やがて樹林帯がパッと切れて標高1,871m地点に着くと、遠方に薬師岳の姿が。


B20160813_003_1_960px.jpg
折立~太郎兵衛平間(標高1,871m三角点) 2016/8/13


ここまでのコースタイムは2時間。しかし時計を見ると、まだ1時間30分しか経ってません。自分にしては飛ばしちゃったかなあ、それともコースタイムが甘いのかなあ・・・まあいいや、体力温存、体力温存・・・とつぶやきながら(?)さほど深く考えることもなく、なだらかだけれども延々と長い坂を歩きました。

左に薬師岳のマッシブな山塊。上のほうからガスってきました。


B20160813_013_1_960px.jpg
折立~太郎兵衛平間 2016/8/13


視界をさえぎるものがないので、ガスさえ来なければ展望は最高。


B20160813_018_1_960px.jpg
折立~太郎兵衛平間 2016/8/13


草原の向こうに太郎平小屋が見えてきました。


B20160813_019_1_960px.jpg
太郎兵衛平付近 2016/8/13


太郎平小屋到着。ふと見ると、看板は富山出身の英文学者、田部重治の書です。


B20160813_022_1_800px.jpg
太郎平小屋にて 2016/8/13


登山家でもあった田部重治の随筆集「山と渓谷」は何度か読みました。当時富山の故郷では薬師岳に登れなければ一人前の男として認めてもらえなかったこと、自分は体が弱いから無理だとあきらめてかかっていたこと、等々つづられた箇所があって、このあたりの山には縁の深い人であるはず。だからこの小屋の看板の揮毫もこの人なのかなあ、きっと、と思いをめぐらせました。

で、看板から時計に目を移すと、あれっ、まだ午前11時20分。登山口から5時間のつもりが3時間半。ずいぶん早く着いてしまいました。次の薬師沢まで行くことにします。

続きます。


2016-10-08 : : コメント : 4 :

金峰山・3

登ってくるガスにつつまれて視界がまっしろけになってしまった金峰山頂上。ガスった山頂でじっとしているのはかなり退屈な時間の過ごし方であります。五丈岩に登るほどの技術と度胸はないので(笑)ほかに何かおもしろいものは転がっていないかと、休憩かたがたあたりを探し回りました。

五丈岩、横から見れば人面岩(^^;)


B20160807_027_1_800px.jpg
五丈岩 金峰山頂上付近 2016/8/7


五丈岩の南側、登山者がいないところに回り込むと、翅裏の真っ黒いタテハチョウが一頭いました。ひさしぶりにお会いしました、「クジャクの目玉」。一目見れば疲れが吹っ飛ぶ派手な翅のいろどり。


B20160807_036_1_960px.jpg
クジャクチョウ 金峰山頂上付近 2016/8/7


ガスが晴れそうもないので、下山にかかります。山頂の北側にはときおり晴れ間も見えるんですが・・・


B20160807_042_1_960px.jpg
金峰山頂上付近 2016/8/7


この後は大弛峠までひたすら展望のきかないガスの中を歩きました。大弛小屋でお昼ごはんにカレーを食べて、さあ帰ろうかと思って地図を見たところ、大弛峠から林道を数km入ったところに乙女高原という場所を発見。行ってみればそれは、かつてのスキー場のゲレンデが刈りはらわれた広大な草原でありました。しばらくぶりに虫探しであります。


B20160807_065_1_960px.jpg
ジャノメチョウ(かな?) 乙女高原 2016/8/7


秋が近づいていることを思わせる、アカトンボとワレモコウの組み合わせ。マツムシソウの花も咲いておりました。


B20160807_070_1_960px.jpg
アキアカネ 乙女高原 2016/8/7


・・・てな感じで、金峰山ゆるゆる山行記、以上です。ご覧いただきまして、ありがとうございました。次のシリーズもまた山、こんどは北アルプスです(^^)


2016-10-01 : : コメント : 4 :
ホーム

プロフィール

椿の茶屋

Author:椿の茶屋
そうなったら、瞬間に向かってこう呼びかけてもよかろう。留まれ、お前はいかにも美しいと。

最新トラックバック

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR