秋の西鎌尾根・槍ヶ岳・7

槍の穂先からおっかなびっくり下りてきて、缶ビール(混雑のため生ビールは売り切れ)なんぞ飲んでおりますと、じきに夕食。(これまた混雑のため)3回転目のたしか午後6時でした。大きな山小屋にしては意外にうまいメシを腹に詰め込んだら、いよいよ夕暮れどきです。久しぶりによく焼けた夕日を見ました(^^)


B20150920_098_1_960px.jpg
槍ヶ岳山荘前 2015/9/20


夕日を眺める人々。


B20150920_096_1_960px.jpg
槍ヶ岳山荘前 2015/9/20


東側を見れば常念岳。そういえば去年の9月、夏休みを取って一時帰国して慌ただしく常念岳に登ったとき、常念小屋から夕暮れの槍ヶ岳を眺めたのでした。あれからちょうど1年。山の向こうの雲に虹色がにじんでいるようです。欧米線などの飛行機に乗って日没を迎えるときと同じ色ですね。


B20150920_097_1_960px.jpg
槍ヶ岳山荘前より常念岳方面 2015/9/20
ふとん着て寝たる姿や常念岳。(^^;)


さて・・・しつこいようですが(笑)この日は五連休の二日目、天気は連日晴れ予報、しかも場所は槍ヶ岳の肩。いくら600人以上を収容する大きな山小屋とはいえ、混まないほうがおかしいわけでありまして、実際結構な混雑ぶりでありました。人いきれで蒸し暑くて、また隣の人と肩の押し合いになってしまって眠れないのであります。あらーこりゃ(睡眠は)無理だわいとあきらめかけた頃、隣のおじさんも耐えきれなくなったのか、布団を持ってどこかへ行ってしまいました。かなりの数の人が廊下や広間でゴロゴロしていたものと思われます。


続きます。


スポンサーサイト
2015-11-28 : : コメント : 10 :

秋の西鎌尾根・槍ヶ岳・6

双六小屋を出てから西鎌尾根を5時間余、槍ヶ岳の肩に到着したのはお昼過ぎでした。小屋に荷物を置き、腹に食べ物を詰めてから槍の穂先に取り付きます。・・・容易に想像のつくことでしたが、渋滞してました。行列の最後尾に並んでから下りてくるまで、2時間半くらいだったかな。

これまでの道とはうってかわって、梯子と岩登りの連続です。時折ガスも流れるようになりました。


B20150920_075_1_800px.jpg
槍ヶ岳頂上付近 2015/9/20
(ブリューゲル作「バベルの塔」という16世紀の絵があります。あの建築現場ってこんなだったんじゃないかと、ふと思いました・・・)


だいぶ上がってきました。小屋の前の人が粒のように見えます。下をのぞきこんだら・・・いやーん、こわい(笑)


B20150920_081_1_960px.jpg
槍ヶ岳頂上付近 2015/9/20


岩にへばりついて順番を待つこと1時間半くらいで、頂上(標高3,180m)に着きました。南を向くと、峻険な穂高の山々とその前衛たちが不気味な灰色をしてうずくまっています。日本列島の屋根に来たんだなあと、あらためて実感。


B20150920_090_1_960px.jpg
槍ヶ岳頂上より穂高連峰方面 2015/9/20


下の画面は<だまし絵>みたいです・・・岩山を見上げたようにも見えますが、よく眺めると左上の暗い部分は青空ではなくて緑の山肌でありまして、ホントは頂上から崖下をのぞきこんで、北鎌尾根を撮ったのです。たしかにここで幕営すれば混雑知らずですが、それにしても地獄の釜のフチみたいなところですな。


B20150920_086_1_800px.jpg
槍ヶ岳頂上より北鎌尾根 2015/9/20


ところで、今日ふらっと立ち寄った中央線沿線某町の古本屋で北杜夫の『どくとるマンボウ昆虫記』(新潮文庫)を見つけて買いこみました。つらつら読んでいくと、「高山の蝶」という章にこんなことが書いてあります。昭和20年前後、著者が旧制松本高校の学生だった頃のおはなしです。

 やはりずっと上高地にいるくせに一度も山に登らなかった男を私はもう一人知っている。彼はあまりにいろんな山の話を聞きすぎた。・・・(中略)・・・そこで彼は上高地のテントの中でじっと坐禅をくみ、危うい場所には近寄らなかった。
 しかし、ほかの連中が彼を嘲笑したのはもちろんである。
 「なにもいきなり北鎌尾根をやれとはいわん」と、みんなは言った。「しかし槍くらいなら女子供にだって行ける。せめて焼岳にでも登ってみたらどうだ?」
 女子供という言葉は耳に痛かった。そこで彼は決心をした。・・・


昔の学生さんって硬派ですねえ。自分の耳にも痛いですが、登山地図に道が書かれてないような場所(北鎌尾根のこと)に足を踏み入れることはないと思います・・・少なくとも家族を養ってる間は、たぶん(笑)

閑話休題。山頂の写真というのは人物がいないとなかなかサマにならないものだ、と思います。標柱だけではどこか間が抜けるような気がします。何枚か撮ったのですが、比べてみると自分を入れて撮ってもらったのが一番よかった(頼んだ相手がわたしより上手かったんです、きっと)ので、逡巡の末、久々に姿をさらすことにしました。

雲も、そして周りの山々もみな自分より低く見えます。いや、高いところへ登って来たもんです。日本で5番目に高い山だそうですから。


B20150920_085_1_800px.jpg
槍ヶ岳頂上 2015/9/20


続きます。


2015-11-22 : : コメント : 16 :

秋の西鎌尾根・槍ヶ岳・5

秋も深まり、東京は週末を迎えるごとに寒さが身にしみるようになりました。雪が降る前に一登りしたいな・・・と心ひそかに考えてもいるのですけど、この雨と寒さでは身体が動きません。それよりも、平日の疲労を回復することが優先です(^^)

・ ・ ・ ・ ・

9月の槍ヶ岳山行の続きです。下界がまだまだ暑かったこの時期、西鎌尾根は紅葉真っ盛り、その向こうに均整の取れた形の槍ヶ岳。


B20150920_049_1_960px.jpg
西鎌尾根 2015/9/20


千丈乗越(縦走路が走る主稜から支尾根への分岐点)の手前あたりで、目の前に岩場が立ちはだかり、鎖や梯子がいくつか出てきます。緊張が走りますが、短い間だし、まあ大したことはありません。


B20150920_061_1_960px.jpg
西鎌尾根 2015/9/20


このへんで、おやっ?と気づきました。槍ヶ岳って山は、近づくにつれて急速に形が崩れてしまうんですね。あの直線のピンと張った、緊張感のある三角形はどこへ行った?? 人にたとえれば、美男美女は遠くから眺めるのがいちばん、てか(笑)


B20150920_062_1_960px.jpg
西鎌尾根 2015/9/20


B20150920_063_1_960px.jpg
西鎌尾根 2015/9/20


目指す山頂もはっきりと見えてきました。上の画面、右側の大槍の上に人がたかっています(これが頂上)。その左側にぴょこんと飛び出しているのが「アルプス一万尺」の歌で、小槍の上でアルペン踊りを踊りましょっていう、あの小槍。山をやらない人は意外なほど知らないこの事実。アルペン踊りとはどういうものか椿の茶屋は存じませんけど、本当に踊る人もいたらしいですね・・・


そして千丈乗越を過ぎるとこの縦走路も終盤を迎えます。標高差400mを一気に稼ぐ急な登り道をこなして、槍ヶ岳の肩に到着です。

続きます(^^)


続きを読む

2015-11-14 : : コメント : 8 :

秋の西鎌尾根・槍ヶ岳・4

出張であたふたしておりまして、更新が二週間空いてしまいました。ついこの春まで住んでいたニューヨークではちょうど紅葉が見頃を迎えていて、高層ビルから見下ろすセントラルパークの色づきはなかなかよいものでした。今年は住人もびっくりするほどの暖かさで、夏物ジャケットでもまだいけます。もちろん、これからどんどん寒くなっていくのですが・・・

閑話休題、9月の西鎌尾根です。槍・穂高を覆い隠していたガスは結局、あっさりと晴れてくれました。晴れた後には、秋色真っ盛りの標高2,500mの山岳風景です。


B20150920_024_1_960px.jpg
西鎌尾根 2015/9/20


オレンジに色づいたナナカマド。


B20150920_039_1_960px.jpg
西鎌尾根 2015/9/20


前々回書きました通り、椿の茶屋の服装は上下とも厚手のウールでした。晴れてから後、尾根の上を走る風は冷たく、それが吹きつけてくれるとちょうどよいのですけど、風が当たらないところではもう暑くてたまりません。飲料水1リットルがあっという間になくなりました。

右を向くと、昨日通って来た新穂高の谷(画面左下)、そして鏡平の小屋(画面右中央)がぽつんと小さく見えました。山塊と雲が作りだす巨大な立体パノラマに、自然の大きさを感じます。


B20150920_038_1_960px.jpg
西鎌尾根 2015/9/20


続きます。


2015-11-08 : : コメント : 6 :
ホーム

プロフィール

Author:椿の茶屋
そうなったら、瞬間に向かってこう呼びかけてもよかろう。留まれ、お前はいかにも美しいと。

最新トラックバック

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR