秋の西鎌尾根・槍ヶ岳・3

9月20日(日)夜明け、しつこくかかっていた双六小屋上空の薄曇もやがて去り、出発する頃にはほぼ快晴となっていました。気温は普通の夏山くらい。厚手のものを着ているので日中暑くなりゃせんかと気になりましたが、まあそれは後で考えることにして、双六乗越から樅沢岳の坂を登ります。

昨日小屋で聞いていた通り、登山客の半分以上は裏銀座や黒部方面へ行ってしまい、槍への道を行く人はぽつりぽつり程度。しかしこれに騙されてはいけないのであります。今日の泊まり予定は槍ヶ岳の肩にある小屋。五連休二日目の夜の槍ヶ岳山荘なんて、大混雑100%間違いなしの保証付きっ!!であります。賢い人は双六小屋を暗いうちに出て槍に登って、そこからさっさと(混雑の少ない小屋へ)下りちゃうんだろうな、今日こそは布団一枚に三人コースだろうか・・・と思いながら歩きました。

振り返ると裏銀座・黒部源流方面の山々。標高を稼いだので、真ん中に薬師岳の姿が遠く見えるようになりました。山々をなだらかに連ねる広大な緑の曲面を見ていると、のんびり歩けそうな、楽しそうなところだなあと想像をかき立てられます。


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樅沢岳付近 2015/9/20


右を向くと、きのうガスってまったく見えなかった笠ヶ岳。


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樅沢岳付近 2015/9/20


やがて樅沢岳頂上に着きました。ところが樅沢岳の東側は、これまで歩いてきた西側とはうってかわって、なまあったかい風が吹きつけてガスが一面に垂れ込め、楽しみにしていた槍・穂高の峰々がまったく見えないのです。なんだよぉーせっかく楽しみにしてきたのにぃー と悪態をつきながら歩いておりますと、山の神様がちょっとくらい見せてやるかと思われたのか、瞬間、パッと晴れました。ガスの向こうに、槍のシルエット(^^)


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樅沢岳付近 2015/9/20


目指す場所が、はるか遠くですが見えてきました。

続きます。


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2015-10-24 : : コメント : 6 :

秋の西鎌尾根・槍ヶ岳・2

新穂高温泉から双六小屋までの所要時間は、途中30分に一度の小休止と、鏡平での45分程度の大休止(昼ごはん)を含めてちょうど8時間でした。休憩なしコースタイムが7時間40分ですから、まあまあのスピードというべきか。初めて歩くルートではペース配分が難しくてバテの心配が常について回るし、稜線の朝は既に氷が張る程度の寒さになっているとも聞いたもので、上は厚手のウールのシャツ、下はウールのニッカパンツにこれまたウールのアーガイル柄ソックスという服装で(^^ゞ 歩いておりました。ニッカボッカスタイルは足上げが楽で筋肉への負荷が小さく、今回の山行を通してあらためてその良さを認識し(こんな古色蒼然とした恰好をしている人は今どき珍しいですから、ちょっと恥ずかしいですけどねっ)、現代的な生地で作られたニッカパンツを最近物色しております。あちこちのwebページをのぞくと、ニッカボッカは胴長の日本人体型ではかっこよく見えないといったご見解をよく見かけます。そうかもしれませんが、それでもこういう合理的なスタイルはもっと採り入れられてもいいと思うんですよねぇ・・・。・・・しかし厚手のウール地はtoo muchでした。山行全期間を通して、汗を大量にかくことになりました(笑)

閑話休題・・・しつこくつきまとっていたガスがほぼ完全に晴れたのは、日没にだいぶ近づいた頃でした。双六小屋前から見た鷲羽岳ほか裏銀座・黒部源流域方面の山々です。右から鷲羽岳(標高2,924m)、祖父岳(同2,825m)、三俣蓮華岳(同2,841m)、丸山(同2,854m)。日本の屋根の一部に来たなあと思わされます。小屋付近でも紅葉が始まっておりました。


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双六小屋付近 2015/9/19


こちらは双六の冬期小屋。樹木のない広々とした緑の斜面にヤギのような白い岩が点々として、なんだかハイジの小屋って感じだなあと、ついうれしくなりました(^^) 明日の朝はまず、この斜面についている道を登っていくことになります。


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双六小屋付近 2015/9/19


五連休とあって、同室の人たちは皆口々に、明日から黒部五郎や雲の平を目指すと言っておられました。登山口からとにかく遠い奥地を歩き回れるなんていいないいなぁ~と思いながらも、身の丈にあった目標として槍を選んだわけですので、そこはがまんです。夕食(メシのうまい小屋で、なんと天ぷらでありました)でおなかを満たしたあとは、晴れ渡った夜空の星が目を楽しませてくれました。

続きます(^^)


2015-10-17 : : コメント : 6 :

秋の花

そろそろ秋バラの季節。どれだけきれいに咲いているか見たくなり、連休初日の10月10日(土)、カメラを抱えてふらりと出かけました。


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マダム・ヒデ 神代植物公園 2015/10/10


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クイーン・エリザベス 神代植物公園 2015/10/10


ダリアの花も花壇いっぱいに盛りを迎えていました。


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神代植物公園 2015/10/10


この日の機材はニコンD750に、70~200mmF2.8の大口径望遠ズームです。このレンズはもともと(まだF4の望遠ズームがなかった頃に)鉄道用に大枚はたいて入手したもので、三脚使用の鉄道撮影ではいいのですが、手持ちで歩き回るには大きくて重すぎます。それで持ち出す機会が減ってしまい、防湿庫の中で眠っている時間が長いもので、カメラ機材リストラ候補の最右翼と思っておりました。しかし、最新のフルサイズ撮像素子と組み合わせると、登山で使っているミラーレス機や旧型のD300などに比較して画質の差は一目瞭然。リストラ決行の決意が鈍ってしまいました(笑)


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小金井公園(江戸東京たてもの園) 2015/10/10


2015-10-17 : : コメント : 0 :

秋の西鎌尾根・槍ヶ岳・1

ときは9月のシルバーウィーク。突然頻繁に使用されはじめたこの耳慣れない言葉の定義は定かではありませんけど、ともかく珍しい秋の大型連休を前に気分は沸き立ち、どうせなら普段行けない山中2泊あるいはそれ以上のところへ・・・しかしいきなり難しいところへ行って下りられなくなっても困るなあ、どうしよう・・・とあれこれ思いをめぐらしておりました。それで答えを出したのが、今回の槍ヶ岳登頂計画でありました。「槍ヶ岳ってすごくとがってて急であぶないんでしょっ? だめよそんなところっ!」と言う妻子を、いやそんなに危険なところじゃなくて、小学生でも登ろうと思えば登れるような山だから大丈夫だよとなだめながら(^^;)

9月18日(金)、いろいろ画策して仕事を定時に切り上げ(^^;)山の身支度をして中央高速へ。途中で仮眠し、連休初日19日(土)の午前6時、椿の茶屋は岐阜県・新穂高温泉の登山口に立っておりました。初日はここから北へ小池新道という登山道を通って標高差約1,500mをガツガツ稼ぎ、双六小屋まで行くことになっています。コースタイムは休憩抜きで7時間40分。

金曜朝まで残っていた雨が上がってすっきりした天気になることを期待していましたが、残念ながらそうは問屋が卸さず。かろうじてのぞいていた青空は、わさび平小屋を過ぎて本格的な登りにかかるあたりから厚いガスにおおわれてしまい・・・

・・・槍・穂高が池の青い水面の向こうに並ぶ風景で有名な景勝地・鏡平もこの通り、どうしようもないガスガス状態。楽しみにしてたのにぃ。


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鏡平 2015/9/19


で、鏡平からさらに登ると笠ヶ岳に連なる稜線に出ます。そこから1時間ほど北へ歩いて、地形的にもうすぐ双六の乗越じゃないかな~と思っていたそのとき。

ガスが晴れましたぜ(^^)


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双六小屋付近 2015/9/19


向こうに見えるのは百名山の鷲羽岳(標高2,924m)ではないですか。筋骨隆々とした姿の、スケールの大きなお山。


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双六小屋付近 2015/9/19


続きます(^^)

2015-10-10 : : コメント : 8 :

白駒池の紅葉

10月上旬になるといつも気になるのが八ヶ岳の紅葉です。そろそろ見ごろだという情報を得て、10月4日(日)未明、妻を連れて東京を出発。上信越自動車道→国道141号→国道299号と走って、標高が2,100mに近くなるあたりが目的地です。時刻は午前6時過ぎ、気温は7℃。

旧ブログでも一度アップしました(こちらです)白駒池。4年前の前回訪問時ほどではないような気もしますが、でもやっぱり綺麗ですね。


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白駒池 2015/10/4


池畔の小屋。この池のほとりには二軒の山小屋があって、この写真に写っているほうは冬季休業。もう一軒は冬も営業しています。深い雪の山を越えてのアプローチになりますが、凍った湖の上で遊べるとか(^^)


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白駒池 2015/10/4


自分一人だったらめんどくさがってやらなかったと思いますけど、妻の発案で池の後ろの高見石へ登ります(ここは以前真冬に来ました→旧ブログのこちらです)。大きな石がゴロゴロした歩きにくい道を池から40分ほど。わずかな距離ですが、30年前にたどろうとしてたどれなかった道でした。そして、稜線から見下ろす白駒池。


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高見石より白駒池 2015/10/4


ここから山づたいに歩きたくなる誘惑を抑えて(笑)もう一度池畔へ。きれいに晴れ渡りました。やはり朝の光はいいです。


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白駒池 2015/10/4


紅葉シーズンスタートですねー。下旬になれば関東平野近辺の低山あたりまで、紅葉前線は下りてくるはずです(^^)/


2015-10-10 : 紅葉 : コメント : 0 :

稲刈りの季節

椿の茶屋は大学生の頃から、PCで使うデータの保存性を強い疑いの目で見ています。今から約30年前、OSはMS-DOSの時代。「松」というワープロソフトで書いた卒論・修論や学会論文は、実験データともども、すべて5インチのフロッピーディスクに入れていました。しかし今そんなものを読み出せる環境はもはや身の回りにはありません。行くところへ行っておカネを払えばできるのかもしれませんけど・・・自分が精魂込めて作り上げたものがただのプラスチック片になってしまうのを見るのは、実にむなしいものであります。

ということがあって、写真に関してもわりとかたくなにフィルムを使い続けていました。しかし「ためしに一台くらい・・・」と思って都内某所の中古カメラ屋で初めてのデジタル一眼・ニコンD300を買ったとき、画像のシャープネスの高さと、色調を思い通りに変えられる絵作りの自由度の高さ(フィルムの頃はいちいちプリント店の店頭で指示を出して、それが気に入らないとまた焼き直してもらって・・・それを全部自分でできちゃうんですから)に心を奪われてしまい、それ以降フィルムカメラは(まだ3台ほど持ってますけど)ほとんど使わなくなりました。それが2009年初夏のことで、以来、データのバックアップに気をつかわされながらも使い続けています。そしてそのカメラを使ってこのブログ(旧ブログのほうです)を始めたのが2010年3月でした。

デジカメを買ったばかりの頃の撮影データをみると、北アルプスや八ヶ岳なんてものはまだ影も形もなくて、ひたすら撮り鉄(笑) 当時まだ多少残っていた旧国鉄型の気動車を地方のJR線やローカル私鉄で追いかけまわしていた、ということを思い出しました。最近、鉄道にはさっぱりレンズを向けておりませんが、山のシーズンオフになったらそろそろまた被写体を探してみたいなという気分でもあったりするもので、・・・前置きが長くなりましたが(笑)当時撮った中から一枚拾い上げました。

ちょうど6年前のこの季節。空気がかすんでいます。雨が近いので田んぼの稲刈りを急いでいたんでしょうか。そんな田園地帯を一両の古めかしい気動車がのどかに走っていきました。


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キハ205 ひたちなか海浜鉄道・中根~那珂湊間 2009/9/13


2015-10-03 : 鉄道 : コメント : 6 :

盛夏の白馬・8

小蓮華山からの下り。そろそろ白馬大池が見えてきます。


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白馬大池付近 2015/7/26


白馬岳からの主稜線もきれいですが、白馬大池もまた美しいところ。


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白馬大池 2015/7/26


高度を下げながら池に近づいていきます。水面の向こうに見えるのは白馬乗鞍岳の頂上にある巨大なケルン。この後、あのケルンのそばを通って下山します。


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白馬大池 2015/7/26


残雪と地形のおかげで水が豊富なので、ハイシーズンには大量の花が出迎えてくれます。この日は一面にチングルマが咲いていました。


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白馬大池 2015/7/26


けなげに咲いていた小さなリンドウの花。


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白馬大池 2015/7/26


池の岸辺にて。画面右側の山のほうから歩いてきたのです。


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白馬大池 2015/7/26


やがて道は池から離れ、白馬乗鞍岳へのゆるやかな登りにさしかかります。白馬大池よ、また来る日まで、さようなら・・・


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白馬大池 2015/7/26


それで、と・・・白馬乗鞍岳からの下りは急傾斜の雪田とすべりやすい大岩が断続する実にめんどくさい道で、写真を撮る余裕はありません。アイゼンのつけ外しをサボったもので、ツルツル滑って転びながら降りてきました(^^;) 下りきった後に振り返ると、下のカットのような道です。登る人と下る人とで登山道は大渋滞。


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天狗原 2015/7/26


難路の下りで疲れた身体をいやしてくれる、山上の静かな湿原です。下山口の栂池自然園まで、あと1時間あまり。


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天狗原 2015/7/26


無事、栂池自然園到着(^^) 時刻は正午、白馬山荘から7時間。ただいま歩いてきた白馬の山並みが画面左上に望まれます。


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栂池自然園 2015/7/26


ここからはロープウェイとゴンドラとタクシーを乗り継いで、駐車場まで一直線。東京へ戻る間際に白馬村から振り返ると、名残り惜しい山々が青空に光って見えました。


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白馬村 2015/7/26


盛夏の白馬岳シリーズ、最後は駆け足になってしまいましたが、以上です。お付き合いくださいまして、ありがとうございましたっ(^^)


2015-10-03 : : コメント : 4 :

盛夏の白馬・7

台風並みの強風に吹きあおられながらの、白馬岳主稜線の旅です。

雪倉岳から朝日岳へとつながる山並み。いつか行きたいと思いながらも果たせていない、遠い場所。


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三国境付近 2015/7/26


皆さん風よけのためレインウェアを着込んでいます。


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三国境付近 2015/7/26


小蓮華山(標高2,766m)に近づいてきました。画面左上の、団体さんがむらがっているところが頂上です、たぶん。


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小蓮華山付近 2015/7/26


以前も書きましたがこのあたりは数年前に放送されたNHKのドラマ「坂の上の雲」のエンディング画像に使われたところです。実に優しげな稜線のカーブですが、しかし春や秋の悪天候時には遭難死亡事故が過去何度も起こっているところ。新田次郎が小説「八甲田山死の彷徨」の中で、ある登場人物に「優しげな姿をした山ほど恐ろしいのだ」と言わせていたことを、ときどき思い出します。

小蓮華山からは白馬大池に向けて下ります。遠くの山並みが墨絵のように浮かび上がります。


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小蓮華山付近 2015/7/26


この稜線上で最も有名と思われる写真スポット。この山行の後、カメラレンズの保護フィルターが割れてしまったので代替品を買いに行ったら、そのパッケージにここの写真が使われてました(笑)手前にハクサンイチゲやミヤマキンポウゲのお花畑、向こうに白馬三山。


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小蓮華山付近 2015/7/26


散った後のチングルマ。半逆光に照らされるときれいです。


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小蓮華山付近 2015/7/26


花と雪とともに来し方を振り返ります。名残り惜しい白馬稜線。


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小蓮華山付近 2015/7/26


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小蓮華山付近 2015/7/26


でも早く帰路につかなければ(^^;) ・・・もう一回分あります。


2015-10-03 : : コメント : 2 :
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Author:椿の茶屋
そうなったら、瞬間に向かってこう呼びかけてもよかろう。留まれ、お前はいかにも美しいと。

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