秋那須・5

山小屋並みに早い朝を迎える三斗小屋温泉の宿。午前6時を過ぎると、ザックをかついで出発する人が目立つようになります。あの外人、ちゃんと帰れるかな・・・と気になりつつも、宿の人の

  「寒冷前線が近づいてまーす。お早目にねー」 (^^;)

のお声がけにせき立てられるように登山靴を履いて、次の目的地へと歩き始めました。

結果としてここから登山口までの間は、那須岳歴史の旅! みたいになりました。那須の茶臼岳は活火山で、現在もわずかですが噴煙を上げています。そこに昭和30年代まで硫黄鉱山があったといい、その名残りをそこかしこに見ることができます。

三斗小屋から茶臼岳へ向かう道。現在は登山道になっていますが、歩いてみると実に平らかで、道端の笹を刈り払えば本来は幅の広い道であるようです。ここは昔、木炭の材料にする木を伐採して牛に運ばせた道だそうです。


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三斗小屋温泉付近(那須岳) 2014/9/16


そんな道をずいずいと登っていくと、目の前に高ーく聳える茶臼岳。


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峰の茶屋跡付近(那須岳) 2014/9/16


道端にはリンドウがたくさん。いろんな色の花がありますが、この株はなんだか妖しげな色(^^)


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峰の茶屋跡付近(那須岳) 2014/9/16


やがて峰の茶屋跡で稜線に出ました。昨日通ったところです。避難小屋の横に昭和初期の石碑があって、牛守護大日尊と書いてあります。うーん、やはり牛だ。


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峰の茶屋跡(那須岳) 2014/9/16


すぐ近くに古い木組みの跡が残っていました。後で調べたら、索道(荷物運搬用のロープウェイみたいなの)の遺構みたいです。


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峰の茶屋跡(那須岳) 2014/9/16


山を巻くようにつけられている真っ平な道。これも現在は登山道ですが、実はトロッコの跡。このあたり、ただの荒れ山に見えて、よぉーく目を凝らすと先人たちの営みの跡が見えてくる。なかなかに奥深い場所です。


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峰の茶屋跡(那須岳) 2014/9/16


さて、と。登山口の駐車場までまっすぐ下れば1時間足らず。でもせっかく来たんだし(^^)茶臼岳の頂上まで一発行きましょう。写真には写ってませんけど、かなりの強風が吹きつけていて、寒かったっす。


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峰の茶屋跡より茶臼岳(那須岳) 2014/9/16


登りはじめです。振り返ると峰の茶屋の避難小屋、その向こうには昨日登った朝日岳の岩峰。しかしやっぱり、西(画面左)のほうから黒い雲があやしくしのび寄ってきてますぜ。


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峰の茶屋跡付近(那須岳) 2014/9/16


山頂付近から見下ろしたところ。雲がますます低くなってきましたぜ。


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茶臼岳(那須岳) 2014/9/16


山頂にタッチだけして、急ぎ足で戻ってきました。


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峰の茶屋跡(那須岳) 2014/9/16


雨が降らないのをいいことに、調子こいてまたリンドウの写真なんか撮っていると・・・


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峰の茶屋跡(那須岳) 2014/9/16


雨雲さんも我慢の限界を超えたのか、ついに大粒の雨がたたきつけるように降り始めましたとさ・・・。避難小屋でひととき雨宿りして、雨足が弱くなったのを見計らって下山いたしました。・・・登山口は晴れてたんですけどね(笑)

そして下山した後の締めは、これ。アメリカでは味わえない、日本ならではの贅沢。


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北温泉(那須) 2014/9/16


那須岳癒し山行二日間の旅、長々と続けましたが、以上です。ご覧いただきましてありがとうございました(^^)


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2014-11-29 : NEW YORK CAFÉ - 日本 : コメント : 6 :

秋から冬へ・2

実は今週、日本にいる家族や同僚から気象についての問い合わせが相次ぎました。カナダ国境に近いニューヨーク州北部が大雪に見舞われ死者まで出ているというのをニュースで見て、心配してメールをくれるのです。しかしニューヨーク市(マンハッタン)は州の最南端にあたります。一週間ほど前の深夜ほんのわずかの初雪が降りましたけれど、街自体はいたって平穏無事。感謝祭とクリスマスの祝日シーズンを控えてどことなく華やいでいます。北部に雪を降らせた寒気団のせいか、ちょっと気温が低い(最低気温マイナス5℃前後)のが困りものですが、来週は少し暖かさが戻ってくるようですし。

閑話休題、ブロンクスにあるニューヨーク植物園内のカエデ園です。世の中にはこんなにたくさんのカエデの仲間がいるのかと驚かされます。樹の大きさや形はもちろんのこと、赤く(ないし黄色く)なった葉の色も様々。たとえば一見似たような橙色の葉の中にもあっさりした色があればこってりした色もあり、微妙なニュアンスの差を楽しめたりします。


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ニューヨーク植物園 2014/11/11


2014-11-22 : NEW YORK CAFÉ - アメリカ・自然 : コメント : 8 :

秋那須・4♨

朝日岳の少し手前で那須岳の主稜から外れ、熊見曽根という名前の付いた支尾根を西のほうへたどります。登山者はぐっと少なくなりまして・・・1時間余ですれ違ったのは2人だけだったかな。谷底からどんどんガスが上がってきて、やがてあたりは真っ白に。「熊見」という地名も気になります。熊さんお願いだから出てこないでねっ(^^;)と、この日なぜだか用意してきていた(前日あまりに粗忽な忘れ物をした反動からか)熊鈴をザックに取り付けて、チリンチリンと歩きます。

ハイマツと岩の高山帯から笹原と灌木帯へ、さらに樹林帯へと急坂をつたって高度を下げて行きます。1時間も経ったころでしたか、硫黄のにおいが鼻をつきました。温泉の源泉です。あと少しかな?


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熊見曽根(那須岳) 2014/9/15


さらに延々と坂を下って、林の中に現れる古い神社の横を通り過ぎ、これまた古い参道の石段を下りて行ったところに、三斗小屋温泉はありました。


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三斗小屋温泉(那須岳) 2014/9/15


12世紀に発見されたという古い温泉で、明治の初めには五軒の旅館があったらしいのですが、現在は二軒。


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三斗小屋温泉(那須岳) 2014/9/15


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三斗小屋温泉(那須岳) 2014/9/15


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三斗小屋温泉(那須岳) 2014/9/15


この三斗小屋温泉から少し谷を下ったところを江戸時代の街道(会津中街道)が走っています。そこに三斗小屋宿という宿場の跡があって、戊辰戦争のときに会津藩と官軍側の戦場となり、焼き払われたという記録が残っています。上の写真に掲げた大黒屋の現在の建物は明治2年築だそうですから、おそらくそのあたりのことにも関係があるんでしょうね。この温泉が歴史的に三斗小屋宿と深い絆をもって歩んできたのだろうなということは、この温泉の敷地だけが現在も三斗小屋宿と同じ市町村の「飛び地」になっていることからも推測できます。

さて、交通手段は登山だけというこの時代離れした温泉に、この日はなぜか外人(白人)がいました。どうやって探して来たんでしょうねえ(^^)。椿の茶屋が首からカメラを提げているのを見たからか、スマホで写真を撮ってくれといいます。というので撮ってあげたら、後ほど風呂場で再び出会ったときに話がはずみました。(以下、和訳です。相手は20代と思われる若い男性二人連れ。)

椿「どこから来たの?」
外「カリフォルニアとコロンビア(中南米の国)からだよ。どうして英語を話せるの?」
椿「ニューヨークで仕事してるから。いまは休暇だよ。」
外「ニューヨークには以前住んでいたよ。」
椿「へえ、何してたの?」
外「その頃は▲▲社に勤めててね、いまは××国でマイクロファイナンスの仕事をしているんだ。」
椿「それにしてもこんなところをどうやって探したんだい?日本人にもそんなには知られていないよ。」
外「ママの知り合いでここを勧めてくれる人がいてね、予約もしてくれたんだ。日本は初めてで、ここへ来る前は京都と高野山へ行ったよ。」
椿「標識が日本語だけなのに、よくたどり着けたね。」
外「うん、たまたま案内してくれる人がいてさ・・・」
椿「そりゃあラッキーだったね。」 ・・・・・・おいおいっ、道迷いで遭難しなくてよかったな(^^;;;;;)
外「ところで日本についていくつか聞きたいんだけどさ・・・」 (以下は「続きを読む」欄へ)

一時間も風呂場でおしゃべりしていると、のぼせます。質素だけれどもおいしい夕飯を食べて、電球がぼーっと灯る部屋でぼーっとしていると、窓の外には霧がやってきて、かすかに雨が降り・・・


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三斗小屋温泉(那須岳) 2014/9/15


うつらうつらしているとまた霧が去って木立越しに夕焼けが見えました。


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三斗小屋温泉(那須岳) 2014/9/15


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三斗小屋温泉(那須岳) 2014/9/15


さあ、明日はどんな日になるでしょうね。


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2014-11-16 : NEW YORK CAFÉ - 日本 : コメント : 8 :

秋から冬へ・1

今日11日(火)、アメリカは祝日(退役軍人の日)。マンハッタン・ミッドタウンの五番街では終日大規模なパレードをしています(昨年の記事に書きました)が、今年は遠慮して、グランドセントラル駅から電車に乗って出かけました。

込み合うミッドタウンの街中とはうって変わって、紅葉の盛りを過ぎた植物園は信じられないほど閑散としていました。入口の切符売場にある四つの窓口に、今日はおじさんが一人だけ。カフェは閉店。他方、園丁さんは土を掘り起こしたり、木の手入れをしたり、はたまたクリスマスの飾り付けをしたりで冬支度に余念がありません。冬はすぐそこまでやってきています。

静かな園内で、晩秋から初冬の陽の光がもたらしてくれる、明るいながらもどこか物憂げな一瞬をカメラに収めるのは楽しいものであります。何回かに分けて書きます。


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ニューヨーク植物園 2014/11/11


今週末のニューヨークの最低気温は氷点下になりそうです。ぶるっ。


2014-11-12 : NEW YORK CAFÉ - アメリカ・自然 : コメント : 6 :

秋那須・3

ゆっくりペースで歩いて撮って、登山口から4時間余り。那須岳の最高地点・三本槍岳の頂上(標高1,917m)に着きました。西のほうに、均整の取れた形の山々が連なっているのが見えます。裏那須の三倉連山です。晴れた日にこういう山を歩くと気持ちがいいでしょうねえ。かなりの距離がありそうですけど、体力があれば。


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三本槍岳より裏那須(那須岳) 2014/9/15


北を向くと、猪苗代湖と磐梯山がかすんで見えます。画面左奥のややとがったのが磐梯山。


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三本槍岳より猪苗代方面(那須岳) 2014/9/15


頂上から稜線を15分ばかりさらに北へたどると、小さな池沼が見えてきます。旧火口に水がたまってできたそう。山を深くわけ入った青い森の中にひっそりとたたずむさまは、なかなか神秘的でもあります。土砂崩れがひっかき傷のように見えるのが痛々しいですが・・・


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鏡ヶ沼(那須岳) 2014/9/15


紅葉の時期はさぞ美しいかと。しかし人が少なさそうですね。下の画面左下、登山道上にぽつんと小さく見えている白い点が、登山者です。


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鏡ヶ沼(那須岳) 2014/9/15


ここで真後ろを振り返って南を向いたとき、突然目に飛び込んできた巨大な人工物。えーっ、何これ!? まさか、地球防衛軍の秘密基地かっ? 椿の茶屋は、写真に撮ってはならないものを撮ってしまったのか! (笑)

・・・地図で確認したら、正体は貯水施設でした(笑)


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三本槍岳付近より沼ッ原調整池(那須岳) 2014/9/15


さて、正気を取り戻して(^^;)来た道を戻ります。


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三本槍岳(那須岳) 2014/9/15


登山口から6時間半、朝日岳付近まで戻ってきました。登山者は相変わらず多いですが、雲が増えてきました。午後は天気が崩れるかもしれません。コンビニ弁当をかきこむのもそこそこに切り上げ、先を急ぎます。


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朝日岳付近(那須岳) 2014/9/15


続きます。


2014-11-09 : NEW YORK CAFÉ - 日本 : コメント : 8 :

秋那須・2

峰の茶屋避難小屋で稜線上に出て、そこからはだいたい尾根に沿って歩きます。山腹を巻きながら、次に目指すのは正面に見える岩峰・朝日岳。


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峰の茶屋避難小屋付近(那須岳) 2014/9/15


ところどころ鎖の付いた岩場歩きを続けていると、じきに朝日岳の頂上が見えてきます。


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朝日岳(那須岳) 2014/9/15


山頂(標高1,896m)からは、荒々しい山肌に刻まれた登山道がよく見えます。あれをたどってここまで歩いてきたのでした。噴火口が近いので、岩だらけの荒涼とした眺め。お茶碗を伏せたような正面の山は、茶臼岳。


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朝日岳(那須岳) 2014/9/15


ススキなびく秋風の山頂で、スマートな山男子、何を思う(^^) 椿の茶屋はこんなにかっこよくできません(笑)


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朝日岳(那須岳) 2014/9/15


さて、ここから先は雰囲気ががらりと変わり、起伏の少ない灌木帯の尾根道。天気さえよければ、楽勝であります。振り返ると、たったいま登った朝日岳の姿。


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朝日岳付近(那須岳) 2014/9/15


途中、「写真を撮って下さい」と呼び止められました。やや不安そうな顔をした小学5年生の男の子とそのお父さん。椿の茶屋も、父に初めて山へ連れ出されたのが小5のときであったことを思い出しました。小学生の登山入門にはお手頃な山じゃないでしょうか。がんばってねー(^^)

やがて本日のとりあえずの目的地、三本槍岳(標高1,917m)が見えてきます。那須連山でいちばん高い山で、紅葉の頃はきっときれいでしょうが、それにしてものっぺりとしたお姿ですな。


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清水平付近(那須岳) 2014/9/15


かろうじて紅葉らしきものが始まっていました。


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三本槍岳(那須岳) 2014/9/15


続きます。


2014-11-02 : NEW YORK CAFÉ - 日本 : コメント : 6 :
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Author:椿の茶屋
そうなったら、瞬間に向かってこう呼びかけてもよかろう。留まれ、お前はいかにも美しいと。

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