荒川岳と赤石岳・2

千枚小屋に着いたのは正午過ぎ。次の営業小屋まで歩くとさらに5時間かかり、自分の体力限界を超えそうですので、本日はここまで。もて余した時間で近くの前衛峰・千枚岳まで散歩しました。


北には塩見岳(画面左)、白峰三山(同右奥)。


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千枚岳より塩見岳・白峰三山 2017/8/19


西には丸山をつたって悪沢岳(荒川東岳)に通じる、おおらかで豊かな稜線。画面右下、白い岩の上にサルが乗っています。十頭以上の群れでした。サルが高山帯にまで上がってライチョウなどの生息を脅かしていると話には聞いておりましたが、ホントにいるんだぁ・・・


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千枚岳より丸山・悪沢岳 2017/8/19


悪沢岳の堂々たる姿。左奥は荒川中岳。


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千枚岳より悪沢岳 2017/8/19


南西にはその次の目標、小赤石岳(右)と赤石岳本峰(左)。赤石はしつこくガスにつきまとわれておりましたが、幸いここで全容を見せてくれました。そのまた左に小さく連なっているのは聖岳かな。


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千枚岳より赤石岳・聖岳 2017/8/19


太陽の光が西に傾こうとする頃、許されるならいつまでもそこにとどまっていたいと思わせられるようなひとときでした。まあ、見えるものは山ばかりなんですが(笑)山好きにとっては胸ときめく時間です。

最後に富士山。頂上火口の両縁に小さなツノが生えたように見えます。


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千枚小屋より富士山 2017/8/19


続きます。


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2017-10-15 : : コメント : 1 :

荒川岳と赤石岳・1

体育の日の三連休の中日です。おだやかで静かな午後のひととき、部屋の窓から近所のキンモクセイの花の香がそよ風と一緒にすっと入ってきて鼻をくすぐります。好天の日にこういうマッタリした時間があるなら本来山を歩いているはずなんですが、このところ仕事のしすぎで疲れが溜まり(山の登りすぎじゃありません(笑))医者から薬をもらう羽目に陥ってしまいました。小心者は何かと損であります。
椿「あのー、運動なんかしてもいいんでしょうか。」(山に登ってもいいかと聞く自信はなかった・・・)
医「えーっ、だーめだめだめっ! おうちで静かにしていてください。」
元の身体に戻るまで数週間?おとなしくせざるを得なくなり、その分山行記を書くほうは捗りそうです。

・ ・ ・ ・ ・

今年の7~8月は居座り台風が多くて、山好きにはとってもいまいちな季節でありましたが、雨という長いトンネルの出口がようやく見えてこようかという頃、南アルプスへと足を向ける機会に恵まれました。静岡駅前から出発してその山ふところへと分け入っていく路線バスは、よく大型バスが走れますねと思うような狭い県道、それもつい数日前には土砂崩れで通行止めだったというような場所を、曲芸のようにすいすい走っていきます。いくつかの長い峠を越え、終点の畑薙第一ダムまで約3時間半。そこからマイクロバスに乗り換えて砂利道をさらに1時間で、かつては林業の拠点として栄えたという椹島(さわらじま)の登山宿舎に到着。一眠りして翌朝いよいよ登山開始です。

早朝のひんやりした空気の中、大井川上流の流れを横目に見ながら。


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椹島登山口付近 2017/8/19


登山道の大半は暗い針葉樹林ですが、これは森の多様性を意識して広葉樹をわざわざ植林された場所であるそうです。こういう場所を歩いていると、気持ちまで明るくなります。


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清水平手前 2017/8/19


出発から4時間半。展望台のような場所に出ると、明日登る荒川岳が姿を見せてくれました。いやー、大きいなあー、すごいなあー(^^)


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見晴台より荒川岳方面 2017/8/19


その左には、これまた明日通るはずの荒川小屋がケシ粒のように小さく見えます。先は長い・・・


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見晴台より荒川小屋方面 2017/8/19


標高2,300m前後。このあたりの山一帯はとある製紙会社の社有林であるそうです。その創業者であった大倉喜八郎が大正の終わり頃、自分の持っている土地で一番高いところに上がりたいといって駕籠をかつがせ赤石岳に登った、という話は登山雑誌で読んだ記憶がありました。看板にある木馬(きんま)とは木でできた橇(そり)のことで、100年以上前、海から遠く離れたこんな山奥にまで足を延ばしていろんな手段で木材を伐り出し、またそれが産業として成り立つほどの規模で行われていたことには驚きすら感じます。


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木馬道 2017/8/19


小さな平坦地が湿原のようになっています。あたりは森閑として、夏の風だけが通り抜けていきます。


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駒鳥池 2017/8/19


椹島から6時間半。ふうぅー、小屋に着きました。今日のねぐら、きれいな山小屋です。


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千枚小屋 2017/8/19


太陽燦々。しかしこれから数日間、天気はどうなるんでしょうか。続きます。


2017-10-08 : : コメント : 2 :

飯豊山・3

翌8月11日、山の日。天気が崩れるという予報は残念ながら当たってしまい、午前2時、激しい雨音で目が覚めました。薄明るくなる頃にもまだ雨。上下の雨具を着込んで小屋を出ました。ブヨに掌を刺されて腕を血だらけにしながら草履塚、姥権現、御秘所、御前坂と進んでいき、切合小屋から2時間弱で本山小屋に到着しました。二階建ての小さな小屋に客の姿はなく、中に管理人のご夫婦が。

「今年は晴れねえで、ほんとひどいよお。日照時間が例年の半分もねえっていうんだもん。おかげでキャンセルばっかりだよ。おれたち、ここで売ってるものはヘリで荷揚げしてて、その費用は自腹なんだから、その分くらいは何とか回収したいんだけれどもさあ。きついよお。大日岳まで行くの? この天気じゃどうかねえ。・・・」

・・・と聞かされて、あとでカップラーメンと飯豊山神社のお札をここで買いました。

相変わらず濃いガス、そしてときどき強風と小雨。飯豊本山の頂も暗いガスの中でした。


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2017/8/11 飯豊本山頂上


そこからさらに進みます。晴れていれば山稜が豊かなカーブを描く絶景を見られるのでしょうけれど、まあ今回それは想像するだけにして(笑)霧にけむる花々をせいぜい楽しむことにしました。


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2017/8/11 駒形山付近


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2017/8/11 タカネマツムシソウ 草月平付近


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2017/8/11 ニッコウキスゲ 草月平付近


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2017/8/11 チングルマ大群落 草月平付近


切合小屋を出発して約4時間、御西岳まで来たところで往路を引き返しました。実は、今回の山行はピストンにするか、縦走して抜けるか、迷ったのです。実際、御西岳から切合小屋へ戻るのも、そこから先の稜線をたどって次の小屋を目指すのも、時間的には大差ないのですが・・・しかし初めて足を踏み入れる場所でもあるし、様子が分からないので慎重を期する気持ちで今回はピストンの計画を立てたのでした。

戻る道すがら、先ほどは固く閉じていたイイデリンドウの花がなんと少しだけ開いているではないですか。貴重な名物固有種の花、何とか拝むことができました(^^)


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2017/8/11 イイデリンドウ 飯豊本山頂上付近


御秘所の岩場にさしかかったあたりでさっとガスが晴れたのが、この日唯一の展望らしい展望でありました。


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2017/8/11 御秘所付近


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2017/8/11 御秘所付近


・ ・ ・ ・ ・


山中二回目の夜を切合避難小屋で過ごして明けた12日の朝もまた、ガスと雨でした。切合小屋を辞して尾根道を下ると、三国避難小屋のそばで道は二手に分かれます。ひとつは南西の西会津町・弥平四郎登山口への道(登ってきた道です)。もうひとつは飯豊山中で最も険しい場所だという剣ヶ峰の岩場を越えて南東の方角・喜多方市の川入登山口へ行く道。弥平四郎からの足場の悪い道にうんざりしていた気持ちもあり、また予約不要のバス便があることもあって、剣ヶ峰経由で川入へ降りることにしました。天気は雨。時おり強く降りました。

あらかじめ聞いてはいたことですけど、雨の剣ヶ峰は滑りやすい岩場でした。三国避難小屋の管理人のおじさんが語ってくれた「三点支持、ゆっくり、ゆっくり。これさえ守ればちゃんと下りられる」を頭の中で反芻しながら手足総動員でそろそろ進みますが、それでも気が緩んだ瞬間につるりと滑って転倒。まあスネを打ったくらいですみました。この岩稜地帯を抜けるのにおよそ40分。そこから先、地蔵岳の水場には飯豊でもっとも美味いといわれる水が湧いていました。まったくクセのない素晴らしい喉ごしの水で、水筒いっぱいに汲んでお土産にしました。そこからは、大汗をかいて急登に顔をゆがめる登山者と涼しい顔ですれちがいながら(笑) 出発から6時間近く経ったお昼前、半分くらい無住となった静かな川入集落に無事たどり着いたのでありました。



多少ヒヤリともしましたけど、思い出に残るいい山でした。次に来るときは縦走といきたいものです。夏の飯豊山行記、以上です。お付き合いいただきまして、ありがとうございます(^^)


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2017-09-23 : : コメント : 4 :

飯豊山・2

あたりは比較的最近まで残雪に覆われていたとみえて、少しくたびれていましたがシラネアオイの青紫色の花がまだ残り、そして新鮮なチングルマの花も。


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チングルマ 種蒔山付近(飯豊山) 2017/8/10


ここから歩くこと15分くらいで本日のねぐら、切合避難小屋に着きました。弥平四郎登山口から7時間半。あくまで避難小屋ですから寝具と食料は自分で持って上がるのが原則、といいますか建前で、椿の茶屋もそうしました。ただし、白米3合を持参すれば(持参しなくても割り増しを払えば)小屋番さんが炊事をして夕食(おいしそうなカレーライス)と朝食(生卵付き)を提供してくれます。またこの小屋は稜線の鞍部に位置していて水に不自由することがなく、登山者にとっては大変ありがたい小屋でありました。なお、水場のない小屋も周辺にありましたが、しかしそんなところでも缶ビールは必ず置いてあります。この点は、山小屋のひとつも見逃さないビール会社営業部隊の根性に感服です(笑)


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切合避難小屋 2017/8/10


一息ついて小屋の周りを徘徊。正面に草履塚の頂、その右奥に飯豊本山手前のニセピークが控えています。ガスが去って、顔を出してくれました。


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切合避難小屋より飯豊本山方面 2017/8/10


そこからやや左に向くと、飯豊本山から御西岳、大日岳にかけての稜線。草の緑と雪の白に彩られたこの大きくたおやかな山稜を見たいがために、暑い中をヒーコラいいながら上がってきたのです。タカネマツムシソウがあふれんばかりに咲いています。ああ至福、至福。


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切合避難小屋より御西岳・大日岳方面 2017/8/10


夕暮れどき、大日岳にしつこくかかっていたガスも取れ、空が赤く染まっています。


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切合避難小屋より御西岳・大日岳方面 2017/8/10


明日の好天を真剣に祈っておりました。・・・しかし、天気予報はそんなによくありませんでした。そして、天気の神様もそんなに甘くはなかったのです。


続きます。


2017-09-10 : : コメント : 8 :

飯豊山・1

新たに公休日となった山の日が三連休を作ってくれました。それに有給休暇をくっつけて、夏山第二弾です(^^)

8月9日(水)会津若松からJR磐越西線に乗り、野沢という小駅で下車すると、駅前に西会津町の町民バス車庫が建っています。そこからマイクロバスに揺られて約1時間、新潟・山形・福島の三県にまたがる巨大な飯豊山地のふところの最奥にある弥平四郎という集落で、山へ入る前の前泊です。おそらく半分くらいは無住であろうと思われるその集落に一軒だけ残された大阪屋という民宿は築百年以上という重厚な造りの古民家で、地元産の食材を多用した見事な料理と清潔な寝具に感服しながらの一夜でありました。

翌朝はこの夏には珍しい快晴。宿のご主人がご厚意で、宿泊した登山者たちを登山口まで車で送って下さいました。最初は沢に沿って少しずつ高度を上げる広葉樹林の道(前日に雨が降ったせいかブヨが少なくて助かりました)、やがて一気に突き上げるような岩場まじりの急坂となって尾根に出て、最後は大きなアップダウンに耐えながら尾根道をたどり初日の山小屋を目指します。標高差は1000m余り。

樹林帯の道も尾根に向かう急登も、北アルプスや八ヶ岳のように歩きやすく加工されたところではありませんでした。自然のままに近い、歩くのに支障がないまでの程度の整備をほどこされたような道で、歩行ペースはなかなか上がらず神経も体力も使います。

尾根が見えてきました。あそこまで上がれば青空の向こうに豊かな稜線が見えるんだっ(^^)と期待しながら一歩一歩進みます。・・・実際には、尾根道にたどり着いたときその向こうには既に白いガスが充満していたのですが・・・


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松平峠~疣岩分岐(飯豊山) 2017/8/10


尾根道に入って1時間余りゆるゆる歩くと三国岳避難小屋。そこを過ぎて岩場まじりのアップダウンの大きな道となりました。いつもの荷物に加えてシュラフとマット、2リットルの水、そして食料をかついで、息がきれます。下の写真は三国岳避難小屋を振り返ったところ。


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三国岳避難小屋~切合小屋(飯豊山) 2017/8/10


梯子も現れます。


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三国岳避難小屋~切合小屋(飯豊山) 2017/8/10


長く長く感じる尾根道。しかしがんばって歩いていくと、あるところで突然風景が切り替わりました。これが飯豊の山上界かっ・・・! 期待がふくらみます(^^)


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種蒔付近(飯豊山) 2017/8/10


続きます。


2017-09-02 : : コメント : 4 :
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椿の茶屋

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そうなったら、瞬間に向かってこう呼びかけてもよかろう。留まれ、お前はいかにも美しいと。

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